眼玉と歩いた

芦雪:南紀無量寺の襖絵群――虎と夢の時間

本州最南端、潮の岬(しおのみさき)から戻ると、函館の航空写真みたいな、左右を海に挟まれた串本の町が現れた。 町は、海面と同じくらいの、平らな半島に広がっていた。 地方銀行、個人商店、民家の建てこんだ狭い道を進むと、錦江山無量寺(臨済宗)・「…

『江戸の風雅』番外編〜酒井抱一〜

酒井抱一『四季花鳥図巻』のミニ複製(上下2巻)が、群馬県立近代美術館のミュージアム・ショップで売られていた。 教科書にも出ている、ドラクロワの『自由の女神(民衆を導く自由の女神)』がルーヴル美術館から来たとき、家族に連れられ、東京へ見に行っ…

『江戸の風雅』 others

そのほかによかった作品 新聞などでも紹介されていた狩野探幽『鸕鷀草葺不合尊降誕図』(うがやふきあえずのみことこうたんず) 鶴の恩返しが想起される絵。こちらは「チョッ」って覗き見ちゃった感じ。 山幸彦の左下から、タテ長の画面下まで続き、さらに横…

『江戸の風雅 旧きを知り 新しきを創った絵師たち』群馬県立近代美術館

ランキング“ベスト8” 1位 酒井抱一 『朝顔図』 好き。かたちと青い色がいい。 『秋草花卉図』も好き。 金地に、べったりとしたカラフルな塗り絵みたいでもあるんだけど、花の向き、葉のそよぎ、葉先・枝先の向きがすばらしい。目に快い。快楽。軽快な感じ…

静けさの美 ハンマースホイ展&常設展

「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情 Vilhelm Hammershøi: The Poetry of Silence」 国立西洋美術館 リサイクル・ボックスにあった(捨てられていたのと同じだと思う)パンフレットで、この展覧会を知った。 ゆったりめの黒いワンピースの女性が、…

光に魅せられたフェルメール展

「Vemeer フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」東京都美術館 それまでフェルメール作品は、いくつかの絵に限ってなら、好きだった。 青いターバンと、耳もとの大粒の真珠、瞳やくちびるのちょっとした輝きに目を奪われる、若い女性像。フェル…

ロボットと女子の距離。「大ロボット博」

2007年10月23日(火)〜2008年1月27日(日) 国立科学博物館(東京/上野) サブタイトルに「〜からくりからアニメ、最新ロボットまで〜」とあるように、人気のアニメと、最近話題の先端技術と、定評ある江戸文化をうまく組み合わせて、観客の間口を広くした…

可愛くて怖い、「大ロボット博」

2007年10月23日(火)〜2008年1月27日(日) 国立科学博物館(東京/上野) 「かわいい。」−−と低い渋い声で言っていたのは、中年男性。 Honda(ホンダ)のASIMO(アシモ)が、お手伝いロボットとして、くるくると動き回っていたショー。 「“ドラえもん”みた…

2006展覧会BEST1!

『プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展』東京国立博物館平成館 7月・8月』 うす暗い会場に入ったら、いきなり長沢芦雪(長澤蘆雪)の虎図があって、うれしかった。芦雪のトラは、だいぶ前から新聞・書籍などで大きく取りあげられていて、気になって…

2006年よかった展覧会

1 位 『プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展』 東京国立博物館平成館 7月〜8月 同 1 位 『仏像 一木にこめられた祈り』 東京国立博物館平成館 10月〜12月 2 位 鴻池朋子展『惑星はしばらく雪に覆われる』 ミヅマアートギャラリー(目黒区) …

『迷宮+美術館 ─コレクター砂盃富男が見た20世紀美術─』

今後はhttp://www.geocities.jp/utataneni/art/new.htmlで加筆訂正していきます 第1会場:高崎市美術館、第2会場:群馬県立近代美術館(群馬県庁昭和庁舎)(2006・9・17〜10・22) 渋谷区立松濤美術館(10・31〜12・10) (砂盃=いさ…

新ナガノサンカンキ−長野3館記−

上條喜美子さんのサイトなど、加筆修正しました http://www.geocities.jp/utataneni/art/2006-1.html BEST1 上條喜美子作品!(おぶせミュージアム・中島千波館) BEST2 北野美術館 『郷土の作家シリーズ11 6の視点展 six women's view point』 200…

旧いナガノサンカンキ−長野3館記−

今後はhttp://www.geocities.jp/utataneni/art/new.htmlで加筆訂正していきます BEST1 上條喜美子作品!(おぶせミュージアム・中島千波館) BEST2 北野美術館 『郷土の作家シリーズ11 6の視点展 six women's view point』2006・7・14〜9・19 …

「COLORFUL!」展

http://www.geocities.jp/utataneni/art/new.htmlで加筆訂正します 「こどもとおとなの美術入門 カラフル! COLORFUL!」 群馬県立近代美術館 −2005・9・4 よかった作品 「untitled」伊庭靖子 果実のオレンジ、拡大写真。ふだん何気なく口に運んでしまってい…

「新井淳一 進化する布」展・鶴岡政男

http://www.geocities.jp/utataneni/art/new.htmlで加筆訂正します 『特別展示 新井淳一 進化する布』 4/16−5/15『生誕100年 清水刀根と中村節也』・常設展示「鶴岡政男」・常設展 群馬県立近代美術館 『新井淳一 進化する布』が目的で行ったら、一室しかな…

唐招提寺展・愛と孤独、そして笑い展

http://www.geocities.jp/utataneni/art/new.htmlで加筆訂正します 『唐招提寺展』 『愛と孤独、そして笑い 展』 ディズニーランド、ディズニーシーに行ったのだが、だんだん、その前に寄ったこの展覧会の、がっしりしてたくましい四天王像や、とちゅうで寄…

いただいたメールを掲載しました

http://www.geocities.jp/utataneni/art/2004-2.html#mailより 『日常の変貌 会田誠◇大谷有花◇鷹野隆大◇平川典俊』群馬県立近代美術館について “会田誠タウン”は、以前より断然すっきりときれいに、すがすがしく変わっていた。空間にゆとりができていた。何…

「日本のわざと美」展−重要無形文化財とそれを支える人々−

http://www.geocities.jp/utataneni/art/new.htmlで加筆訂正します 『「日本のわざと美」展−重要無形文化財とそれを支える人々−』 群馬県立近代美術館 1/8−2/6 これを「開館30周年記念」にすればよかったのに。すばらしい人形たちがすばらしいキャンペーン…

西洋の誘惑 印象派からシュルレアリスムまで

http://www.geocities.jp/utataneni/art/new.htmlで加筆訂正します 『開館30周年記念 西洋の誘惑 印象派からシュルレアリスムまで −近代美術館の収集とその検証−』 群馬県立近代美術館 9/18―11/3 “群馬新聞”である上毛新聞の記事「回顧2004」〔美術〕…

追記「遠藤彰子 力強き生命の詩」 

http://www.geocities.jp/utataneni/art/new.htmlの転載です。今後はそちらで加筆訂正していきます。追記 今年は、家にいるのが好きになってしまった。数日間の休みでは、家の中から一歩もでないこともあった。それでも、いくつかの展覧会に行った。そこには…

琳派 RIMPA展

http://www.geocities.jp/utataneni/art/new.htmlの転載です。今後はそちらで加筆訂正していきます。 『琳派 RIMPA』 東京国立近代美術館 8/21―10/3 思い出してみると、「琳派」展にはいいものがあった。 なかでも、はじめは酒井抱一による「杜若図」か、と…

遠藤彰子展 混沌の力

遠藤さんの名前を訂正しました。恥ずかしいです・・・ http://www.geocities.jp/utataneni/art/new.htmlの転載です。今後はそちらで加筆訂正していきます。『遠藤彰子 力強き生命の詩 ENDO Akiko−−Poetry of an Everlasting Life−−』 2004/8/28-10/3 府中市…

木のアートを見る。アートを買う。

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/1951/art/new.htmlの転載です。今後はそちらで加筆訂正していきます。 『木でつくる美術』 群馬県立館林美術館 展示の最初のほうには、群馬県立歴史博物館の民俗コーナーのものが展示されていた。 原木も置かれ…

MoMA展の感想

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/1951/art/new.htmlの転載です。今後はそちらで加筆します。 『MoMAニューヨーク近代美術館展 モダンってなに?:アートの継続性と変化、1880年から現在まで』森美術館(六本木ヒルズ) 夕方に用事が終わった。…

イタリア旅行記2

ヴェネツィア 夕方、港(?)に着いた。このときバスの中で、大好きだった赤いヘアピンをなくした。 海の脇を歩いてホテルに入った。駅の近く。となりは「未来」という寿司や。部屋はへんな形な気がした。ヴェネツィアは土地が狭いのかもしれない。 荷物を置…

イタリア旅行記3

シエナ この旅行で出会った街では、フィレンツェが飛びぬけて美しかった。朝、遠ざかっていくオレンジ色の街を見るのは悲しかった。 しかし、つぎのシエナもとても楽しみなのだった。そして、旅行をふりかえると、シエナに寄るツアーになってよかった、とし…

かわいい小物群と、すごいお城

東京近代美術館工芸館『所蔵品展 近代工芸の名品―花 Modern Japanese Crafts from the Museum Collection: Flower Design』http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/1951/art/2004-2.htmlに書き直しました

神殿と私室 大谷有花さんと会田誠さん

「日常の変貌 会田誠◇大谷有花◇鷹野隆大◇平川典俊」 群馬県立近代美術館 ここにあったものは削除してhttp://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/1951/art/2004-2.htmlに書き直しました。 これまでの「眼玉と歩いた」のINDEX