牛伏山まで行ってみた:群馬県高崎市吉井町

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関東平野の端っこにある牛伏山まで、久しぶりに行ってみた感想。

この山はお城を模した展望台や、3本の中継塔が遠くからも見えるので、鏑川流域の山々では見つけやすいほうの山だと思う(標高491m)。

群馬県南部を横断する上信越自動車道吉井インターのそば。

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    山に入ったばかりは、うるさいくらいに鳥の声が聞こえた。地面は青草に覆われて、一面の枯葉だった冬のなごりはない。

    山を登っていても、木の葉によって日差しが適度にさえぎられるから、涼しい。絶えず風が吹いているけれど、春先の寒い風ではない。光り輝く緑色の木陰――緑陰が、目にも肌にも気持ちよい。

 

    ヤブデマリ(?)の花の鮮烈な真白!

    春先は梢に桜、地面にスミレくらいしか目立たないけれど、草も木も茂ってきた今は、いろいろ咲いている。

    その中でもマムシグサ(テンナンショウ/天南星?)は異彩を放っている。炎のようなふしぎな形をした花(?)に、濃い紫色と緑白色のたてじまがあって独特。魅力的。

    ホタルカズラの群生は、やはり見応えがある。緑色の宙に煌めく青い星々のようだ。

 

    この日は風の音、葉擦れの音、梢を渡る風の音に満ちていた。空はかすんで、高崎市前橋市のビルの街並みまでは見えても、その向こうの群馬県・長野県・新潟県・栃木県の境の山々(浅間山とか谷川岳とか日光男体山あたり)は見えない。でも、爽やかな風に吹かれながら緑陰をゆくだけで、満ち足りた気持ちになる。

    遊歩道のコアジサイは、もうすぐ咲きそう。くっきりとした白いつぼみがふくらんでいる。

    崖の上から、ヤマツツジの花が枝垂れるように咲いている。澄んだ赤色の花は、山のかんざし、髪飾りのようだ。美しい。

    地面をよく見ると、1本1株の草に葉が次々に生えている。その葉の造形の妙のすごいこと。

 

    琴平神社や中継塔の奥にある山頂の登山道は、森林を歩く気持ちのよい小道になっていた。群生しているヤマツツジの花は終わりかけだが、まだ蚊も飛んでいないし、クモの巣も張っていない。

 チョウチョが何匹も、かなりの速さでひらひらと飛行していった。黒っぽいチョウ、青緑色の部分が光るチョウ、茶色の地に白い斑点がたくさんあるチョウなど。

 とても小さな鳥の羽――薄い水色から鮮やかな青色、濃紺までの諧調(グラデーション)が絶妙!な羽が落ちていた。カケスの羽だろうか。宝石のように輝いている。美しすぎる。

 杉林に差し掛かっても、あたりは甘やかな匂いが漂っていた。空気が美味しい。「生きるのがうれしい日だ」と思った。草木、花、風のおかげだ。あ、あと鳥と虫と動物もいるな。

 黒っぽい動物のフンがいくつかあったのだ。光る甲虫がくっついていた。

 

 ‥‥その後、沢に沿って歩いているとき、対岸で物音がした。小動物がいた。アナグマ(?)だと思う。大きさがタヌキくらいで色も似ているけれど、こちらを向いた時の顔つきが違う。イタチ(以前、車道にいた)の色や体型でもない。

    ずんぐりむっくりした小動物は、絶えず何かを探しながら移動していた。ガサゴソする音は絶えず立てているし、こちらに気づいても動じずに顔を戻し、また同じようなのろさで移動していく。音はずっと続いた。

    ずんぐり、むっくりした感じのアナグマ。白っぽいしっぽは、太く長めで、ふさふさとしていた。

 

 最初の方でも感嘆したけれど、ヤブデマリの花は、山のバラだなあ! 花が大きくて、真っ白で、存在感が圧倒的。

 川には黒いオタマジャクシがいっぱい。川面から生えて茂っている草に、白い小さな花がたくさん咲いている。冬とはまったく違う川辺だ。

 ため池の横の木道で、いきなり、カラスがぶきっちょに飛び立った。停まった先で、カラスとは思えない変な声で鳴いている。よく見ると、鳴こうとしているのだが、声が出ない様子。たまに出る声は、甘えた感じの変な声。仔ガラスなのか。

 山から下りると、白いニセアカシア(もっといい名前だったらいいのに)の花が目立つ。

 春がどんどん進んでいる。どの草木にも、虫、鳥、動物にも。(草木鳥獣虫魚悉皆だ)。