源氏物語についての本を読むと、尊敬すべき諸姉に出会えるけれど、もちろん諸兄の本にも教えられてきた。
筆頭は橋本治氏。
『源氏供養』(中公文庫)
初めて読んだのは、橋本治節に夢中だった高校時代かもしれない。
源氏物語についてほとんど知らなかったけれど、引きつけられた。
そして、わたしの源氏物語の見方をかなり決めたエッセイ。
『写真集 窯変源氏』 写真 おおくぼひさこ(中央公論社)
初めて「光源氏ってこんな感じだ!」と共感した。
考証に徹したただの再現ではない、外国人俳優らによるイメージフォトが、源氏物語の本質を見事に表現。
しばらくは、源氏物語の場面を思い浮かべると、白黒の外国映画のようなシーンが思い浮かんだ。
つづいて。
『源氏物語 付現代語訳』(角川ソフィア文庫)
『源氏物語入門』(新潮社、1972年)
『鑑賞 日本古典文学 源氏物語』玉上琢弥編(角川書店、1975年)
源氏物語を本格的に読もうとして、初めて読んだのが円地文子さんの現代語訳(新潮文庫)。
そのためか、玉上さんの解説になじんだ。
『輝く日の宮』(講談社文庫)
源氏物語について知ることができたし、源氏物語好きなりに楽しめた。
失われた巻について、源氏物語の裏側について。
ただ、世間で評判になったらしい『女ざかり』の記者(社説委員)といい、この蘊蓄・ご意見ご披露小説のヒロイン、研究者が魅力的に感じられないのだ〜。
働く知的な女性のつもりなのかも知れないが、ふしぎなほど憧れず。
オバサンの皮をかぶったオゾサン、という評が的確に思う。
(丸谷才一さんは著名人だが、「まるや」さんなのか「まるたに」さんなのか、いつも忘れてしまう)
『源氏物語が面白いほどわかる本』 出口 汪(中経文庫)
ジェンダーもふまえた、現代的で鋭い解釈・批評を読める ―― ○
タイトルや筆者の経歴からの印象とは違って、深い内容 ―― ○
3人の会話形式で、わかりやすく表現されている ―― ○
扱っているのは正編のみ(光源氏の出家を予感させる「幻」まで) ―― △
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