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2006年よかった展覧会


1 位
『プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展』
東京国立博物館平成館 7月〜8月


同 1 位
『仏像 一木にこめられた祈り』
東京国立博物館平成館 10月〜12月


2 位
鴻池朋子展『惑星はしばらく雪に覆われる』
ミヅマアートギャラリー(目黒区) 10月〜11月


3 位
『迷宮+美術館 コレクター砂盃富男(いさはいとみお)が見た20世紀美術』
高崎市美術館・群馬県昭和庁舎  9月〜10月(ほかに渋谷区の松濤美術館)


特 選
講演会『この人に聞きたい4 画家・押江千衣子の仕事』
群馬県昭和庁舎 10月(『群馬県立近代美術館コレクション アートの箱庭 昭和庁舎でみる現代美術』関連事業 友の会シリーズ講演会)



特選 『この人に聞きたい 画家・押江千衣子の仕事』について


 プロジェクターで(?)映し出される絵画を見ながら、創作にまつわるお話を聞くことができた。それだけでなく、持っていった画集にサインしていただいたし、ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡、ベリーインク)のことでお話までできた!


 【ヤマゴボウの絵】
 「すずなり」「あまいにおい」にわたしは特別な思いがある。押江さんは、花とつぼみをたくさんつけた山ごぼうのすばらしさを伝えるために大画面に大きく描いた、というようなことをおっしゃった。
 それを聞いて、ハッとした。自分が書いたこの植物についての文がなぜだめなのか、よくわかる気がしたからだ。
 押江さんのお話は、村田喜代子さんの『名文を書かない文章講座』にある、「文章のスピード」とか子どもが描いた「大きな黒い牛」の話を連想させる。


 【サインしていただいた画集】
『押江千衣子 目をすます Oshie Chieko  Through Clear Eyes』(「新・求龍堂グラフィックス」シリーズ、2003年)
 もしかしたら、群馬県立近代美術館がアスベスト問題などで休館(利用者のわたしの実感では“閉館”。しかも最近のニュースでは、延期が発表された!)する直前、ミュージアム・ショップのセールで買ったのかもしれない。それ以来、お風呂やベッドで開いて、やわらかい緑色を中心とした、目と心にやさしい絵を楽しんできた。でも、サインしていただけるなんて、考えたこともなかった。


 【講演で印象に残ったお話】
 学生時代の集大成の作品をお母さんがとてもよろこんでくれたお話や、学校を出て画家としての仕事を始めたころの不安、初めての一人暮らしでもあったヨーロッパ行、描く対象が草木から風景、人体と広がってきたお話などが印象に残った(記憶違いだったらすみません)

 
 【ドローイングの展示】
 驚いたことに、講演会なのに、会場の一隅には押江さんがスケッチブックなどに描いた“ナマの絵”ドローイングが所狭しと並べられてい。なんてサービス精神旺盛なのだろう。
 そこには、わたしの好きな植物の絵の、元となっているようなイラストもあった。メモみたく小さくて未完成ぽくても、そこには草木のふしぎで神秘的な生命力が表現されていた。そして、それは主に色彩とそのタッチによっているようだった。
 押江さんは終始、にこやかだった。髪は短めで、赤っぽい服を着ていた。若々しくチャーミングな方だった。