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追記「遠藤彰子 力強き生命の詩」 

http://www.geocities.jp/utataneni/art/new.htmlの転載です。今後はそちらで加筆訂正していきます。

追記

 今年は、家にいるのが好きになってしまった。数日間の休みでは、家の中から一歩もでないこともあった。それでも、いくつかの展覧会に行った。そこには『MoMA ニューヨーク近代美術館展』(森美術館、六本木ヒルズ)、『琳派 RIMPA』(東京国立近代美術館)、『開館30周年記念 西洋の誘惑』(群馬県立近代美術館)のように、いわゆる美術史上の名画をたくさん見れるものもあった。

 わたしは幸福にはなった。ところが、会場を出て、ふつうの日々を過ごしているとき、それらの展覧会は強烈な力をもっては立ち現れてこなかった。幸福だったけれど、印象の薄い、過ぎたものになっていた。「もうこれ以上、わたしの眼は広がらないのだろうか。美術・アートから離れていくのだろうか」と不安になった。

 これまで、大げさに言えば、美術館で見るもの触れるものがどんどん血となり肉となり、わたしの感覚を新しくしていくような感じがしていたのだ。いまは、知識が増していく気がした。お勉強をしにいった満足感さえ湧いた。

 しかし、そのなかでも異質な印象を与える展覧会があって、それが本展であった。とくに「黄昏の笛は鳴る」のように、赤や黄色の火と生き物(少女と黒い犬たち)が共存している絵。「遠き日がかえらしむ」のように、水から炎が立っている絵。そういうものを思い浮かべると、心がどきどきした。ぐるぐると光の渦が生まれ、嵐の風が吹いてくるようだった。

 上にあげた展覧会もよかった。しかし、この時代に生きている今のわたしをひっくり返してくれるような作品に出会いたい。いままでに見たことのないものを見たい。心がどきどきするものに出会いたくて、そのために美術館にいくのだとわかった。


 遠藤さんからクリスマス・カードが届いた! びっくり。アンケートに答えた人全員に送られたのだろう。すごい方だ。

 「今年の展覧会を回顧する新聞記事で、取りあげられていた人のだよ。パブロ・ピカソから来たみたいなものだよ」と説明したら、「じゃあとっておけば○万円の価値が出るんじゃない」と言われた。そういうことじゃないのに。印刷だけど、頂いたことがうれしいのだ。