宝石のような古書たち

こんな本を手に入れることができました。


『ランドゥッチの日記  −−ルネサンス一商人の覚え書−−』
ルカ・ランドゥッチ著  中森 義宗・安保 大有/訳 (近藤出版社、1988年)
場所は一貫して都市フィレンツェ
歴史上有名な修道士サヴォナローラローマ教皇の息子チェーザレ・ボルジアについても記されている。
サヴォナローラに関する記述は、ルカ自身をはじめ、当時の市民の心酔と、離反していくありさまを生々しく伝えてくれる。
チェーザレ・ボルジアの侵攻に関しても、英雄視していないところにリアリティがある。
町のニュースをふくめ、随所に見られる書き手の誠実さが好きだ。



高慢と偏見 上巻』 オースチン著 野上 豊一郎訳 (国民文庫刊行会、大正15年)
高慢と偏見 下巻』 オースチン著 平田 禿木訳 (国民文庫刊行会、昭和3年)

ご存知、『プライドと偏見』『自負と偏見』という邦題もあるジェイン・オースティン(Jane Austen)の人気作品。
当時の歴史的仮名遣い×日本語訳がおもしろそうです。


『女性画家列伝』 若桑 みどり著 (岩波新書/黄版、1985年)
著者は最近、惜しくも逝去されてしまった。
一度だけ、講演会に行ったことがある。
勢いのある、力強い話し方が印象に残っている。
この薄く小さな黄色い本は、新しくもないけれど、現代にも通じる部分が少なくない。
それは悲しく、無力感も湧くことだ。
でも、若桑さんの主張には励まされる。